3年間野球部で生き抜いたドゴイ君。
下宿生の中で一番関係が深かったように思う。
決して真面目一本ではない。バランスの取れた子だった。
毎日。毎日、朝食前に汚れたユニホームを手洗いし続けた。
自宅ならお母さんが洗っておいてくれるだろう。
だから、せめて、絞って干してあげることにしたけど、その感謝を
いつも口にしていた。
くたくたになって帰って食堂で遅くまで勉強をした。
でも全力を出し切った体は意思に反して寝てしまう。
けどそれも言い訳せずにがんばった。
自分のことを自分でしなくてはならないない状況に、ドゴイ君は
親がなぜ下宿に入れたかわかるとつぶやいたことがあった。
先輩、目上の人に対して言葉も、気遣いも出来る子だった。
それはチームの中だけで培ったものだけではないように思えた。
言い訳にならないと言ったけど、部活で燃え尽きた分、勉強は
中途半端だったように思う。
来年グレードupして挑戦すると言い残して下宿を出た。
長く話していると涙がにじむので別れを告げた。
貴方なら出来る貴方の優しさは医学部が似合う、進んでいい。
がんばれ!!
そして、時々いただいていたお父さんの手打ち蕎麦。
もう味わうことは出来ないだろう。ありがとうございました。