風化させてはいけない。
人類と共存できないものになぜ執着するのだろうか?
どんな得があるのだろうか?
だれがどんな得をするのだろうか?
【社説】①
3・11から2年 後退は許されない
2013年3月11日 東京新聞
風化が始まったというのだろうか。政府は時計の針を逆回りさせたいらしい。二度目の春。私たちは持続可能な未来へ向けて、新しい一歩を刻みたい。
ことし一月、フィンランドのオンカロ(隠し場所)を取材した。
オンカロを運営するポシバ社の地質学者のトーマス・ペレさんが
二〇二〇年ごろから核のごみを搬入し始め、八十年で処分と管理
◆ゼロベースで見直すと
「地上には何の印も残さない。そこに何かがあるとは、誰も気付
ペレさんのこの言葉こそ、忘れられるものではない。
忘れることで危険がなくなるわけではない。先送りするだけなの
あれから二年、安倍政権には後戻りの風が吹いている。
首相は一月の国会答弁で「前政権が掲げた『二〇三〇年代に原発
先月末の訪米時には、ゼロ戦略の見直しと原発維持を、オバマ大
また施政方針演説では「妥協することなく安全性を高める新たな
安倍首相の発言に呼応して、霞が関も回帰を急ぐ。エネルギー基
核のごみでは、前政権が打ち出した直接処分の検討を撤回し、使
そういえば、忘れていたようだ。電力業界ともたれ合い、半世紀